同じコーティング剤を使っていても、コーティング耐久性能は施工店により数倍の違いが出る?
2024.11.11あるコーティングメーカーの社長さんと話をしていて、そんなことがあるの?
という驚きの事実(実態)をお聞きして愕然としました・・・
全く同じコーティング剤を使用していても、
コーティング耐久性に数倍の差が出ることがるあるそうです。
確かに地域環境性で、
降雪地域・海に近い塩害地域では、
当然コーティングが受ける負荷が違いますから差が出ることは予想が付きますが、
そういう地域の方は毎日のように受けるダメージ(汚れや付着物)がある為、
逆に洗車頻度は非常に低いそうです・・・
当然コーティングのダメージは相当の物となりますが、
私はだからこそ小まめに洗車等されて状態維持に努めているのかと思っておりましたが、
そうでは無いようです。
殆どの方は車を消耗品としてとらえているそうで、
コーティングをする理由も意匠性ではなくダメージの軽減だそうですので、
高品質の施行は求められていなく、
キーパーの様な塗り重ねの短期繰り返し施工の需要が殆どだそうです。
ですので、
新車施工では洗車・脱脂しかせずコーティングを施工するそうですし、
使用過程車においても、
下地処理は最低限で下地の意匠性改善迄望まれる方は殆どいらっしゃらないそうです・・・
しかも驚いたのはコーティング塗り込みのスピードですが、
1台15分で塗り込み終了するそうですが、
1パネル1分強で塗っていることとなりますけれど、
弊社では10分弱かかります。
しかも施行環境は空調設備は無く露店や半露店でも施工されるのが普通との事で、
これでは塗り斑やカスレは当然起きますし、
拭き斑も当然出るでしょう・・・
結果コーティング耐久性は高性能コーティング剤を使用しても1年程度となってしまうそうですので、有
償メンテナンスが必須となるそうです。
この様な地域は北陸・東北・北海道だそうですが、
この様なスタイルになってしまっているのは、
エンドユーザーのニーズに施工店が合わせているのか?
その様な施工スタイルの店しかないためエンドユーザー意識がそうなっているのか?
でしょうが、
ここまで施工店意識に違いがある事には驚きと言うよりショックでした・・・
この様なスタイルとは真逆に、
業界内ではより高品質を求め、
セラミック(ガラスコーティング高級商品)やグラフェンなどと言ったコーティングが登場してきてしのぎを削っていますが、
結果施行価格は高価格になってきていますけれど、
私が思うにコーティング剤の優劣よりもやはり全体の施行をどこまで丁寧に行うか?
の方が重要と思います。
基本的施工の行程
施行前洗車(付着物処理)→磨き→脱脂→コーティング施工
・施工前洗車=洗車環境や水の成分によっては、水染みを付けてしまうリスクもありますの
で、最低でも洗車仕上げに純水or精製水を使用することと、付着物(鉄粉・
タール・ピッチ・酸化物)をきっちり除去する
・磨き=新車・使用過程車問わず、塗装表面はμレベルのピンホールがありますから、そこに
洗剤や油分やコーティングなどが入り込んでいるものを最低でも1μはクリアを磨き
除去して、新たなピンホールを塗装表面に露出させることで、コーティング剤のスパ
イク密着性を高めるのと、塗装肌を鏡面化することで艶感を高める
・脱脂=9割以上の施工店での脱脂は、シリコンオフ等のアルコールで行っていますが、これ
では塗装表面の油分は取れていないので、水性アルコールを使用して水洗脱脂を行う
事で、上記したピンホールが洗浄されコーティングのスパイク効果を生みだす
・コーティング施工=密閉できる室内空間で、空調管理され常に一定の室温・湿度が保てる環
境があり、塗り斑の無い様に丁寧にコーティング剤を塗り込み各々設定
されている初期硬化ブランク時間内に拭き上げを完了し、加水分解をし
なくなるブランク時間まで、設定されている時間迄室温・湿度を保ち養
生する(時間短縮の為遠赤外線ヒーターを使用するのは、是非判断では
意見は割れていますが、弊社では急速硬化は非と判断しています)
※拭き上げ時使用するクロスの素材等により、微細なスクラッチが入る
こともありますので、使用するクロスでもかなり性能・意匠性に影響
を与えます
以上の事柄だけではありませんが、
これら作業項目の違いにより同じコーティング剤を使用しても明らかに、
機能性能・硬度・耐久性に大きな差が生じます。
結局は施工店経営として目指すスタンスにより差が生じますが、
同時にオーナー様がどの様な要望が重要なのかで、
可否判断は変わってくるでしょう!
但し怖いのは、
低価格=低品質はまず間違いないですが、
高価格=高品質とは限らないと言う事ですねー
これは経営者が、
職人なのか?
利益追求型経営者なのか?
ではっきりしますね。