1：超親水作用

この現象は、ガラスの防曇加工技術として既に応用されています。

自動車のバックミラーや道路のミラー等を酸化チタンで、コーティングしておけば、水がはねついても表面で水滴とはならず、そのまま流れ落ちます。そのため雨天時の視認性が大幅に向上します。また油性の汚れ定着しにくく、雨などで定期的にこのような水が流れることにより表面が洗浄され、いわゆるセルフクリーニング作用を持っています。

このセルフクリーニング作用は、既に住宅やテントシート、ビルなどの窓ガラスなどへ応用されています。

2：強い酸化作用

この作用は水を酸素と水素に分解する程の酸化作用をもっています。このため、酸化チタンを用いて水から水素を得ようとする工学的応用が研究されています。これは太陽の光エネルギーから、水素というクリーンエネルギー（水素は燃焼して水になるため）を生成することを意味し、夢のエネルギー循環サイクルと言われています。

またこの酸化作用を利用し、有害物質の分解なども試みられています。たとえば病院の手術室の壁・床を酸化チタンでコーティングしておけば、ブラックライト（紫外光ランプ）を照らすだけで殺菌処理を行うことができます。この応用は既に一部の病院で利用されたり、学校でのVOC除去にも活用されています。現在国家プロジェクトとしてサリン、VXガス、細菌兵器等の除去のための安全な方法として研究が進められているほどです。