コーティングの上にイオンデポジットや雨染みが出来てしまいそれをとる方法は?
このような状況は比較的に撥水系のコーティング剤で起こりやすい現象です、発生場所は側面部などはほとんど起こらずボンネット・ルーフ・トランクなどに置きやすいはずです。
これは雨や洗車の際に水球が残りそれが乾くことにより起きる現象です。
雨の場合では雨が大気中を通過してくる際に埃やチリ・NOX・SOX・イオンなどを含んできます、それがコーティングの上で水玉となり蒸発するとその不純物が固形化し残り太陽の熱やエンジンの熱などでコーティング表面に付着していきます。
更にボデイ自体に汚れがある場合にはその汚れも巻き込んで付着しますのでかなりハードなものになってしまう可能性もあります。
洗車等の水でも同じことは起き得ます、水道水や地下水にもイオン化された不純物はかなりの濃度で含まれており、カルキも当然含まれています。
これらのものも雨と同じで乾燥すると固形化した付着物となっていきます。
「コーティングをしているのにこうなっては意味がない」
と感じられる方も多いかと思いますが、ポリマーやガラスコーティングではどれだけ性能がよくてもこのトラブルを避けることは出来ません。
ポリマーの場合には主な機能目的は艶を出すことですし、ガラスコーティングの場合はボデイの塗装を守ることが主目的となり、どちらもセルフクリーニング性があるわけではないので、有機物を含んだ汚れを分解することは出来ません。
ポリマーの場合には大体の商品は有機系の物質を含んでいますので逆に付着しやすくなる傾向があります。
ガラスコーティングの場合は生の塗装面に比較して表面の滑面が出来ていますのでその分汚れが引っかかり難くなっているため何も施工されていない場合に対しては明らかに差はあるはずです。
ポリマーはとりあえず於いて置いてガラスコーティングについて説明いたします。
未施工の塗装の場合このような状態になると加速度的に症状は悪化していきます、条件によっては新車でも1ヶ月足らずで塗装への食い込みを起こし始めることもあります、こうなると塗装を磨いて食い込みを起こしている部分をすべて削り取るしか方法は無く塗装へのダメージはそれなりに受けてしまうことになります。
ガラスコーティング施工車の場合は、コーティング剤の硬さや機能層の材質にもより差はありますが、まずよっぽどその状態を長期間放置しない限りは機能層への食い込みは起こしてもベースとなるガラス膜自体への食い込みはありません。
コーティングにダメージを与えずに付着した不純物を取るには80度以上の熱湯をかけ不純物をふやかして毛足の長いマイクロファイバークロスなどで擦り取ることが一番コーティングにダメージがありません。
ただしこれはあくまで機能層に食い込みを起こしていない場合の処置に限定されます。
機能層にまで食い込みを起こしている場合は食い込んでいる不純物までを書き出すことは出来ないので次の処置が必要になります。
コーティング剤の膜硬度が4H以上あるものであれば研磨剤の入っていないコンパウンドを使用して、機能層だけを剥離してから機能層を再度コーティングすることもできます。
ただし硬化しているガラス膜の上に機能層を貼り付けるだけですからガラス膜と科学反応を起こして分子結合をしているわけではありませんので1年以内には再度機能層のコーティングの必要があります。
ベースとなるガラス膜が高性能のものであれば古い機能層を剥離した後、更にガラスコーティングのベースコートからWコートのように上掛けすれば一番効果的で耐久性もある対処方法だと思います、ただし価格はそれなりにはかかってしまいます。
コーティング膜の硬度が4H以下の場合には研磨剤の入っていないコンパウンドを使用したとしてもガラス膜のベースコートが剥離をしてしまう可能性が高いため、ベースコートごと剥離しての再施工の必要がでてしまいます。
どちらにしても機能層への食い込みを起こしてしまった場合には、DIYでのメンテナンスはかなり困難ですので専門店にご依頼されることをお勧めいたします。
出来ればこのような状態にならないにこしたことはありません。
防ぐ為の処置としては汚れが付着して固形化する前に洗車をして洗い流すしかありません、その際水玉が残らないようにきちんと拭き取ることが大事です。
特に春から夏にかけては黄砂や花粉・樹液などのハードな汚れが多い時期は特に注意が必要です、又降雪地帯ではエンカルにも同じような注意が必要です。
如何にガラスコーティングといえども全てを完全にガードすることは出来ません、あくまで少しでもメインテナンスの手間を軽減し塗装へのダメージを防ぐ為のものですから過度の期待は持ちすぎてはいけません。
有機物が主成分の付着であれば光触媒コーティングはかなりの効果が期待できます、光触媒は有機物を分解しセルフクリーニングの機能を持っていますので付着物が食い込みを起こす前に分解し剥離することが可能です。
ただしカルキやイオンのような無機の汚れが成分のほとんどを占めている場合には、無機物を分解する能力はありませんのでほとんど効果は期待できません。
汚れや付着物を防ぐのに一番効果的なコーティングは親水性のガラスコーティングをベースコートとし光触媒をトップコートとしたWコーティングが効果的です。