数年前に有名コーティング施工店がこぞって新車の磨きを否定し始めた時期がありましたが、
今に至っては昔のように磨きの必要性を謳い始めました?
根幹をいとも簡単に覆すのですから、
河野さんみたいですねー
なぜこのような変化が起きたか?
磨き否定の発信元はとある関東の有名施工店さんでしたが、
当時その理由として、
「現在の新車にはホーロー層と言う新車時のみ保護被膜が存在し、
それを磨き落してしまうことはあんに塗装ダメージを誘引することになる・・・」
みたいなことですが、
弊社が自動車メーカーや塗料メイカーやホーロー製品のメーカーにお聞きした範囲では、塗装上部にホーローが形成されることはあり得ない・・・
との見解でした。
しいて言うのであれば、
最終工程の高温焼き付け時にクリア表面の硬化硬度と塗装内部の硬化硬度には違いが出るため、
表面に硬いクリア層が形成されることはある!
との事ですが、
塗装硬度は一般的には国産車で2.5~4H位輸入車で3.5~5H位と言われいて、
それより硬度の高い表面被膜は基本的には形成されるとは思えない・・・
との見解もあります。
確かに極端に硬い表面クリア層が形成されてしまえば、
トヨタ系・ニッサン・BMW等が採用している、
熱塑性型自己修復クリアは硬すぎれば動くことは出来なくなりますから、
何の効果もない事になります・・・
又、
自動車メーカーの塗装説明資料にも塗料メーカーの資料にも、
一切ホーロー層なる記述は見当たりません。
さらに突っ込んだ疑問としては、
塗装ライン検査で軽微なトラブルが発見された場合、
磨きによる補修を掛けますが、
補修後その部分に再度ホーロー層形成のためクリア再塗装→高温焼き付けを行っているかと言えば、
意匠性的コスト的にもあり得ないでしょう。
現在一般車両では塗装ラインアウト前に通常工程での磨きは行われていませんが、
超高額車両に関しては仕上げ磨きが全面に掛けられ出荷されています!
前記したように新車を磨くと塗装ダメージを誘引するのであれば、
クレームになれば大ごとの超高級車メーカーは磨きを行うのでしょうか?
私は磨きを避けていた真の理由は別にあると業界内からも聞き及んでいます。
・磨きを行うとマスキングの必要性が出る
・作業工程的に一番リスクもあるうえ時間消費してしまうので利益が出なくなる
・作業者の世代交代(長続きしない)等で熟練技術者がいない
と判断されているようです。
では今になってまた新車でも下地処理が重要と言い始めたのか?
ここ数年コーティングの高性能化が進み、
簡易的下地処理ではコーティングの性能が発揮できなかったり、
意匠性的に費用対効果が出せない場合が起きている・・・
があり、
高級コーティングメーカーも自社HPで性能を生かすには丁寧な下地処理は必要と磨きを必須的に書いていますし、
一部メーカーでは下地処理の有料講習会も行い始めています!
具体的には、
・ガラスコーティング(セラミック含む)剤の成分純度が上がり、副材料による傷埋め効果がなくなってきているため、傷残りや艶出し磨きでのオーロラ傷などがクレームとなりやすくなっている
・主に高級店にみられる照明環境の高度化により、
上記のような問題が見えやすくなっている
・特にセラミックを名乗るコーティング系はクリア層のピンホール浸透やクリア融解に
よる化学的密着性を高めているため、
クリア表面に不純物があれば溶け込んで曇りとかの原因になったり、ピンホールに
不純物が詰まってしまっていると、十分なスパイク効果が得られず、
密着性が確保できなくなる
・クリア表面の微細な凹凸(剣山)があると、ガラスコーティング(セラミック)は
それに従い均一膜厚で製膜してしまうので、
平滑で強固な分子結合や架橋結合が起きず 分子間結合引力に頼る製膜となりがち
のため、摩擦に対して脆弱なり本来の耐久性が維持できなくなる
と言うこと等が考えられますが、
これらは基礎的な物理化学が判る方ならピンとくるのでは?
確かに不執拗な過度の磨きはクリアを消耗してしまいますし、
ポリッシングにより過度の摩擦熱を発生させてしまい曇りを生んだりのリスクはありますが、
各々の車の状態や塗装特性等を的確に判断出来、
それに合わせた必要な磨きが出来るのであれば、
磨くのと磨かないとでは意匠性・コーティング性能共に確実に差が生じるでしょ!
但し、
施工店側が磨きに消極的発言があるようでしたら、
無理に依頼するとぼったくられたり失敗したりも考えられますから、
提案通りにされるか?
他の施工店を探されるか?
に、した方が良いでしょう。
私の意見考え方が絶対とは言い切りませんし、
反対意見も有ると思いますが、
私なりに物理化学専門家や色々のメーカーから情報をお聞きして、
自身の経験とともに行き着いた考えですので、
施工店選びの一つの考え方としてお役に立てればです!
注)弊社既存のお客様もしくは弊社施工依頼前提でないご相談の場合は、
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