利益または技術料。この業界の価格根拠は非常にあいまいだと感じませんか?
価格帯も安いものは1万円台から有り高い場合には50万円くらいの価格も存在しています。
まずは価格構成要素から考えて見ます。
- コーティング剤やコンパウンドなどの消耗品代。
- 地代家賃。
- 光熱費。
- 人件費。
- 設備損料。
- 利益または技術料。
大体このようなものから構成されていきます。
それぞれの価格について考えて見ます、あくまで車磨き研究所を基本とした価格です。
1.コーティング剤やコンパウンドなどの消耗品代。
- コーティング剤・・・・・・・・・・・200円~20,000円
- コンパウンド1工程につき・・300円~500円
- シャンプーなどケミカル剤・500円~1,000円
- マスキング用品・・・・・・・・・500円~1,000円
- 合計・・・・・・・・・・・・・・・・・・1,500円~22,500円
2.地代家賃。
- 1日あたり・・・・・・・・・・・・・・1,500円
3.光熱費。
- 1日あたり・・・・・・・・・・・・・・1,500円
4.人件費
- 1日あたり・・・・・・・・・・・・・・15,000円
5.設備損料。
- 1日あたり・・・・・・・・・・・・・・1,200円
6.利益または技術料。
- 施工価格の30~40%
となってきます。
仮に5日間の作業日程で一番高い材料などを使用したとすると、
施工価格は199,200円となります。
決して安くはない価格ではありますが、価格の正当性はあると思います。
この中で一番大きなウエイトを占めてくるのが人件費ですから手間仕事である以上しょうがない部分です。
専門店で1番多い作業工期は3日間ではないでしょうか?
その場合の価格は、135,200円となります。
一番簡易的な施工方法とした場合では、98,500円となります。
車磨き研究所の考え方からすると妥当な金額だと思います。
私がネット等で価格を調べるときに価格根拠がわからないものは2通りの場合があります。
1日施工で、50,000円~70,00円の価格のディーラーや簡易施工店の価格です、これを先ほどの価格根拠にもとずいて考えた場合材料はせいぜい3,000円程度とし地代家賃は5倍と考えたとすると、48,300円となります。
50,000円であれば計算式上は正当性がありますが、磨きはほとんど行わず現状の塗装の上にコーティングをしただけの施工内容でこの価格は内容との正当性にかけるような気がします。
ちょっと器用な人であれば自分でコーティング剤を買ってきて施工しても同じくらいのクォリティーを出すことは出来るレベルです、その場合のかかる金額は10,000円程度でしょう。
もう1つは都市部にある高級施工店です。
中には磨きの作業レベルを段階化して価格を提示しているお店もありますが、多くのお店では磨きについてはかなりグレーゾーンなところが多くどこまで磨くことが出来ての価格なのかが判りづらくなっているところが多いようです。
そもそも高級店に持ち込まれるような高級車はまず傷だらけの程度最悪の状態ということは考えずらいので、通常はそれほどハードなリスクのある磨きは行われていないと思います。
たとえば350,000円の施工価格だったとすると、いくら高級施工店といえどもコーティング剤の原価が20,000円を超えることはまずありえませんし工程上もコーティングにはかかっても1日半見れば間違いはないと思いますので、価格のほとんどは磨きの部分になってくるはずですがここも2日間で磨き作業を終了しているとすれば、350,000円の価格の正当性は見出すことが出来ません。
先日ご来店いただいたお客様が、まさに350,00円で施工をされたとのことでお車を拝見させていただきました。
お車はおろしたての新車で、すぐにコーティングに持ち込まれたそうです。
確かにコーティング剤の艶もよく磨きの肌感もいい感じではありましたが、傷はそれなりに残っている状態でした。
コーティングの前にあった傷が残っているのか施工後にコーティングの上についた傷なのかまでは判断できませんでしたが、価格から判断すると施工後数週間でこのような状態になっていることは疑問です。
このコーティング剤に関してのことですが、製膜厚は10μ以上ありコーティングに傷が入った場合はこのコーティングを研磨して傷を処理することが出来るので何回か磨いても塗装を削ることなく傷の処理が可能とのことだそうです。
しかしこれは我々プロから判断すると、全くの眉唾としか思えません。
ガラスコーティングで多少の加熱処理をしたとしても10μの製膜はありえません、仮に製膜させるとすれば無機のガラスコーティングでは無理ですからバインダーとして有機剤を使用する必要があります。
有機剤を使用してこの厚みを確保すればひび割れや紫外線劣化によるくすみを呼ぶこととなると思います。
又10μのガラスコーティング剤を研磨して傷の処理を繰り返すことが出来るということに関しても常識的にはありえません、通常ガラスコーティング剤は4H~9Hの硬さがあり塗装の硬さよりもかなり硬い状態です、最近の水性塗料特に欧州車の塗装は硬くこれを磨くことですら多くの磨き屋さんは苦労されているのに、それよりも更に硬いガラスコーティングの膜をどうやって研磨するのかは疑問です???
逆に磨くのではなくコーティング剤を上掛けすることで塗装のクリアーと同じように傷を埋めてしまうということのほうが現実的ではないでしょうか、しかしこれもほとんどガラスコーティングの持つ性質上無理に近いことだとは思います。
これは高価格を正当化するためのごまかしでしかないような気がします、本来コーティングに関してはどんなによいコーティング 剤を使用しても100,000円が限度ではないでしょうか、残る部分は磨きのレベルにより250,000円ということはありえることだと思います。
私が言うのはおかしいですが、この業界は非常にグレーな部分が多い業界です。
価格が安いから正当性があるとは限りませんし、高いからといって正当性がないとも限りません。
私の経験からすると、コーティング剤に関して大げさな効果や全くほかの商品とかけ離れた性能をうたい文句としているものはあまり信用するべきではないと思います。
磨きコーティングに関してはその価格の中で重要なのは磨きの部分だと考えます、ここのところはごまかしは通用しません。
施工店さんのデモ車などを御覧になり判断つきやすいと思います、ただポリマーなどを塗りこんでごまかしている場合もありますので指先などで表面を触ってみてください、WAXなどをかけたときのようなツルツル感が無ければ大丈夫だと思います。
ユーザーの方が価格の正当性をきちんと判断することは非常に困難なことだとは思います、ただし低価格店で本当にいい仕事をしていただくことはまずありえません。
価格なりということは当然です。
問題なのは高価格店ですが、価格なりの本当にクオリティーの高いお店も沢山ありますが同じように根拠のないお店も沢山あるのも事実です。
どのようにその良し悪しを決めるのかはご自身の判断にゆだねるしかありません、まずは見積もりは何社かはお取りになりメールだけのやり取りではなく最低でもTELにてきちんと説明をお受けになり、その際に矛盾を感じられたらおやめになったほうがいいでしょう。